p2p-trading
FUTURE PROTOTYPE
P2P Power Trading
エネダックが描く「未来の実験」

プロローグ:見えない壁
想像してみてください。ある嵐の夜、あなたの街で停電が起きたとします。家の中は真っ暗で、スマートフォンの充電も残りわずか。不安な夜です。
ふと窓の外を見ると、お隣さんの家だけは明かりがついています。
「あ、そういえばお隣さんは、屋根にソーラーパネルと大きな蓄電池があったな…」。
でも、その電気をあなたの家に分けてもらうことはできません。お隣さんの蓄電池には電気が余っているのに、壁一枚隔てたあなたの家では使えない。今の電気の仕組みには、そんな「見えない壁」があるからです。
もし、この壁がなくなって、電気が『お裾分け』できるようになったら?
エネダックが今、最も熱中しているのは、そんな未来をつくる技術です。
1. トマトを分けるように、電気を分ける
私たちが目指している「P2P(ピア・ツー・ピア)電力取引」という技術。難しそうな名前ですが、やろうとしていることは、実はとてもシンプルで懐かしいことです。
例えば、家庭菜園でトマトを作りすぎたとします。今までなら、その余ったトマトを遠くの巨大な工場に安く売るしかありませんでした。
でも「隣の田中さん、トマト食べる?」と手渡せれば一番早いし、喜ばれますよね。 これを「電気」でやろうとしているのが、エネダックです。
これまで: 発電所からの一方通行。
これから: 余った電気を、隣の家や、向かいのお店に直接「送信」する。
ブロックチェーンという最新技術が、この「電気の手渡し」を、安全に、そして自動で行ってくれるようになります。
2. 「地産地消」から「地産地援」へ
この技術で実現したいのは、単に電気代を安くすることだけではありません。
電気を「困っている誰かを助けるエネルギー」に変えることです。
私たちはこれを、地産地消(地域で作って地域で使う)を超えた
「地産地援(ちさんちえん)」──地域で作って、地域を助ける と呼んでいます。
3. ストーリー:その日、この街だけは光っていた
未来の災害時はこう変わります。
巨大な台風で、街全体の送電網がストップしてしまいました。
しかし、エネダックのシステムが入っているこのエリアだけは、まだ電気が生きています。
[避難所となった小学校]
体育館の明かりが消えかけます。すると、AIが自動で判断します。「近くのAさん宅とB商店の蓄電池に、余裕があります。この電気を小学校へ送りますか?」
[Aさんの家]
Aさんはスマホで「OK」を押します。するとAさんの家から余っていた電気が、見えない線を通って小学校へ送られ、再び明かりが灯ります。
[住宅街]
うちは今、テレビを見ないから電気を使わないと判断した家が、電気を必要としている「人工呼吸器を使っているお年寄りの家」へ、自分の家の電気を優先的に譲ります。
電気の貸し借りが、命の貸し借りになる。そんな「助け合いのネットワーク」が、道路や水道と同じように、当たり前のインフラとして街に埋め込まれている。
そんな未来が来たら、私たちはもっと安心して暮らせると思いませんか?
今はまだ「実験」の段階です。でも、私たちは本気でこのシステムを日本の当たり前にしようとしています。
難しい技術の話ではなく、こんなストーリーをお話しするのは、「あなたにも、この未来を一緒に待ち望んでほしいから」です。
テクノロジーで、優しさの形を変えていく。
それが、エネダックのP2Pプロジェクトです。
もし、電気が「お裾分け」できるようになったら?
ここが、私たちの目指す到達点です。
例えば、旅行で家を空ける数日間の電気を、
近所の保育園に寄付する。
災害時、停電していないエリアから、
困っている友人の家へ電気を送る。
巨大な発電所に頼りきりの社会から、
小さな電気が手をつなぎ支え合う、
強くて優しい社会へ。
ENEDAQは、そんなワクワクする
未来の実装を始めています。